Archive for 5月, 2011:

出品茶づくり 2011/5/11~12

2011.05.29

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5月11日手摘み⇒製茶

御縁があった80名の方と月ヶ瀬の20名の方に手摘みにたずさわって頂き、朝7時半から11時半まで雨の中本当に綺麗に摘んで頂きました。

摘み取った葉は製茶工場で風を当て露を取り除きます。

そして、すぐに蒸します。この工程が一番大事なのですが、とても柔らかい先の部分だけの手摘み茶はとても繊細で浅く蒸すだけで十分なのです。
甘い香りと鮮やかな色が出るように仕上げていきます。これはまさに感覚で、この一瞬の時が神の瞬間だと自分では思っています。

蒸す前とちがい、色が青く鮮やかになっています。

次に粗揉機で熱風を当て撹拌しながら煎茶特有の色調と風味が出るように仕上げていきます。

次に揉捻機に入れ茶葉各部分の水分を均一にします。

次に中揉機でソフトな熱風を当て撹拌しながら揉捻で出た水分を取り除き、次の精揉に適したお茶になるまで揉みます。

この工程までで約4時間経過しました。
次に精揉機で針のような形を創り、光沢が出るように仕上げていきます。

温度を上げずに、しっとりと揉んでいきます。

この工程だけで2時間、火を止めたり付けたり温度に気を使い極限まで形状にこだわります。

最後に乾燥機で1時間じっくりと水分を5%になるまで乾燥します。
製茶工場でも沢山の仲間に手伝って頂きました。
今年は昨年より風味が優っているような出来栄えです。
5月12日 茶業振興センターにて二次加工。

細かい網で大きな芽を取り除きます。

箕(み)で軽い部分を取り除きます。

最後にシッカリと甘い香りが出るまで再乾燥をして完成です。
このように複雑な作業工程を経て煎茶は出来上がります。そこには技術の蓄積と伝承、後継者の育成が欠かせないわけです。その意味でも、毎日の生活の中で煎茶を愉しんで頂ける方が一人でも多く増えていくことが私達のモチベーションにつながります。
井ノ倉光博

2011/5/11 井ノ倉茶園茶摘み体験 IN TSUKIGASE

2011.05.14

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昨年の手摘み茶後、お客様から手摘み茶をやってみたいと希望される方が沢山おられたのと、
私自身も茶畑でお茶に触れて頂きながら、私のお茶がどのように作られるのか、お茶のことを少しでも理解して頂きたかったという想いから、近年、お近づきになれた方を中心に茶摘み体験のご案内をお出ししました。

茶園の管理は順調でしたが、予定日の11日の降水確率が日に日に高くなり、日程を延期するべきか、それとも少しだけ摘んで、畑を観ながらの昼食会をメインに実施しようかと悩んでいましたが、やはり皆さんがこの日のために予定を調整して参加頂くのですから、私達の日ごろの仕事ぶりをありのまま感じて頂く事が、今回の趣旨の沿っていると判断し予定どおり開催する事に致しました。

5月11日朝7時頃から皆さんが続々と茶園にお車でお越しになりました。
遠方は東京から、神戸、大阪、和歌山からも、また地元の奈良から、総勢80名の方にお集まりいただき、そこに月ヶ瀬の20名の方が参加して頂き、茶摘みがスタートしました。
「一芯二葉」という茶摘みの方法をお教えした後、茶摘みが始まりました。

さいわい雨は小降りになり、皆さんの様子は活き活きとされているように見えました。

お客様からの感想も良かったので少し安心しました。

雨にぬれた茶葉はつるつる光ってとてもきれいで、摘むと若い香りがします。
たちこめてきた霧は幻想的な雰囲気を演出してくれました。
お客様から「これからは煎茶を淹れる度に、茶畑の自然の中で出会った色や香り、音を思い出し、たくさんの事に感謝することになるでしょう」というメールも頂きました。
当日雨の中一生懸命摘んで頂いている姿、後日送られてくる御礼のお手紙やメールに感動しました。これらは、私たちにとっては大きな自信につながります。
このたび雨にもめげずに最後までしっかり収穫して頂いたこと、本当にありがとうございました。
井ノ倉茶園  井ノ倉光博 幸

手摘み茶の“かぶせ”作業

2011.05.04

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11 MAY 2011 IN MOMOGANO

5月11日に開催致します手摘み茶の準備の一つとして“かぶせ”という作業があります、これは光合成を抑えるため、茶の木の上に遮光率85%の黒い被服資材を覆う作業です。
こうすることにより茶の木の渋味が少なくなり、うま味(アミノ酸)が多くなるのです。

でもこの作業はとても手間がかかり、風が吹くと上手くいかず何回もやり直したりします。
実は光合成を抑えるので茶の木にも負担がかかるのです、ですから手摘みが終われば、深く刈り樹性を回復させ元気な親葉を育てそこから最高の新芽が創られるのです。

この日のために一年間茶園管理を行います。
この様に頑張っていてもきつい遅霜が来ると、柔らかい新芽は焦げてなくなってしまいます。
一番茶はとてもデリケートなのです。

5月11日は雨が降らないように祈っております。
11 MAY 2011 IN MOMOGANO