カテゴリー ‘想い’

2010/12/9~12/ TEIBAN展

2010.12.24

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TEIBAN展に出展しました。TEIBAN展とは、地場産業が一時的なヒット商品を目指すのではなくて、永く愛されるモノづくりを目指すという方向でベクトルを合わせて「想い」を合同で伝えるという新しい発想の展示会です。
その中には、奈良の茶生産者と県が一体となって進めてきた“空中大和茶カフェ”(お茶の美味しい飲み方を実演しながら茶農家の想いを伝えるプロジェクト)も行われました。
今年の2月に引き続き新宿パークタワー1Fで開催したものです。

カフェの中央には徳田銘木さんから提供していただいた樹齢600年の吉野杉のテーブルが自然のエネルギーを演出し、そこで行う“空中大和茶カフェ”に多くのお客様から賞賛を得ることが出来ました。
私は今回プロジェクトのメンバーに申し訳なかったのですが、井ノ倉茶園のブースを設けて頂き、蚊帳生地に覆われたゆったりした空間の中で、お客様に茶畑での手摘みの雰囲気や、生産者の立場から提案できるお茶の愉しみ方や、新しい取り組みなどをお伝えしながらゆっくりと一服してもらう様にしておりました。
このパークタワー内のパークハイアット41階ピーク ラウンジで採用されている“大和茶”は、井ノ倉茶園の“極上かぶせ煎茶”ですが、そのお茶を振舞わせて頂きました。
今年の全国茶品評会において農林水産大臣賞を受賞したお茶を入札販売で自らが落札しましたので、そのお茶もお茶好きな方々にご案内しておりました。


TEIBAN展の主旨に沿って外に向けてPRするという形をとらずに、それぞれのモノづくりへの「想い」が共感していただけるかを確認するというスタンスで臨みましたので、その姿勢によってお客様から多くのことを学ぶことが出来ました。
中でも印象的だったのは一人で来られた上品な女性からの次のようなお話です。
「子どもを叱る時、まずそこに座りなさいと言って、お茶を淹れて飲ませて、互いの心を落ち着かせてから話をする」ということをお母様から受け継いてこられたそうです。
そうすることで、相手に言いすぎない、お互いを分りあえる。その方自身もそのように育ってこられたと聞かされました。
わたしは、あらためてお茶の持つ力、日本文化の心の深さみたいなものを教えられました。
パークタワーの1階に繰り広げられたTEIBAN奈良展のたたずまいが、ハイセンスな形でデザインされているので、感性の高い方々にも来て頂けるのだと思います。本当にさまざなことを学ぶことが出来たというのが実感です。
次回は、来年2月3日~6日同じく新宿パークタワー1F OZONE TEIBAN展を開催致します。
2月はラインナップを充実し、精一杯チャレンジしていきたいと思っております。

出会い

2010.11.18

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最近ものすごい勢いで沢山の方と出会う機会が多くなりました。
これはすべてお茶のご縁です。
少し前に雑誌で紹介されたのをきっかけけに、月ヶ瀬の山のてっぺんまで、何度もお茶を買いに来られるお客様がいらっしゃいます。
東京で日本茶のカフェによく通っておられるそうで、是非美味しいお茶を飲みたいと家族で来られました。
これは大変だと思いましたが、我が家の茶室でいつものようにお茶の淹れ方を実演しながら、お茶を楽しんでいただくことにしました。想いが通じたのか皆さん喜んで頂き、お子さんまで「美味しいもっとほしい!」と言っていただき最高の気分でした。
沢山注文頂きお茶を取りに行っている間に、偶然サルが庭を歩いていたみたいで、奥さんが「サル飼っているんですか?」って、「私もサルを見たのは一度しか無いんです。」お子さんも「またサルが来るかなあ」って。
「いやー私はサルには来てもらいたくないです」って答えると、皆で大笑いしました。
今でも仲良くして頂き、お友達を沢山連れて来ていただきます。こんな出会いが何よりも楽しいですね。

私のお茶を飲まれて美味しいと感じられたかどうかはひと目で分ります、今までの皆さんが納得していただいた顔は私の勲章として大切に保存したいと思います。
美味しくなれという想いで淹れると、気持は伝わるんですね。

想い

2010.11.09

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お湯を冷まし、それを急須に丁寧にそそぎ入れ
少し待って、茶葉が八分目開いた状態が淹れ時です。
透明な青みを帯びた水滴が、緑の香りを漂わせながら
湯のみを満たしていく
この時(とき)と間(ま)が、私は好きなんです。
それは、お茶を介して目の前の人とつながっていくと
確信できる瞬間だからです。
きれいな水や空気、緑に囲まれた地球を大切にしようと言われながらも
誰もが、身の回りのさまざまなことを抱えながら懸命に生きています。
そんな中で、いつの時代も、私たちが最も大切にしないといけないのは
「人と人のつながり」だと思うんです。
“お茶でも一服”は、それを演出する先人の知恵ではないのでしょうか。
                                    井ノ倉光博